概要
Pythonにおける変数の使い方を解説します。構文は以下の通りです。
<変数名> = <値>
変数xに値10を代入する場合は、以下のように書きます。
x = 10
変数は後から使用することが出来ます。
x = 10
y = 23
z = x + y
では、詳しく見ていきましょう。
Pythonにおける値の扱い
変数について見ていく前に、Pythonにおける値の扱い方をおさえておきましょう。PythonのIDLEを起動すると、電卓のように使用することが出来ます。
$ python3
Python 3.10.2 (main, Mar 9 2022, 20:22:18) [GCC 7.5.0] on linux
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> 2 + 4
6
>>> 2 * 4
8
>>> 2 - 4
-2
演算子(プラス「+」やマイナス「-」などのこと)と数字の間は空白を入れることが多いですが、空白なしでも計算できます。
>>> 2 + 4
6
>>> 2+4
6
使用することが出来る主な演算子は以下の通りです。
記号 | 意味 | 使用例 | 使用例の計算結果 |
+ | 加算 | 5 + 2 | 7 |
– | 減算 | 5 – 2 | 3 |
* | 乗算 | 5 * 2 | 10 |
/ | 除算 | 5 / 2 | 2.5 |
// | 商 | 5 // 2 | 2 |
% | 余り | 5 % 2 | 1 |
「/」と「//」の違いに注意してください。前者は除算の結果を小数で表しますが、後者は除算の結果の小数点以下が切り捨てられた整数となります。
カッコをつけて計算の順番を指定することも出来ます。
>>> 3 + 4 * 5
23
>>> (3 + 4) * 5
35
加算よりも乗算が優先されるので、上側の例だと最初に4*5=20を計算し、3+20=23となります。下側の例だと最初にカッコ内の3+4=7を計算し、7*5=35となります。
変数とは
プログラミングにおける変数とは、値を入れておく入れ物のようなものです。変数には名前が付けられていて、必要になったら、あらかじめ入れておいたデータを取り出して、使うことができます。
変数はプログラミングを行う上で基本的な概念です。変数を使うことには様々なメリットがあります。以下にその一例を示します。
- 一度計算した値を使いまわすことが出来る。
- プログラムが読みやすくなる
前の章でIDLEを電卓のように使用しましたが、それぞれの計算結果を保持しておくためには変数を使います。
詳しくは具体例で見ていきますが、以下のような使用イメージです。
>>> x = 3 + 4 * 5
>>> y = (3 + 4) * 5
>>> x + y
58
具体例
では、具体例を見てみましょう。
>>> x = 10
変数に値を入れることを代入と言います。上の例では、「x」という名前を付けた変数に、値「10」を代入しています。こうすることで、好きな時に、変数xに入れた値10を取り出すことができます。
変数の名前のことを変数名と言います。
何かを識別するために名前をつけることは、プログラミングに限らず広く当たり前に使われている手法です。例えば、赤い実のなるナス科ナス類の「あの植物」を人々は「トマト」と呼びます。よく使うものに名前をつけるというのは、人間の生活に限らず、プログラミングの世界においても便利なのです。
次の例では、同じ10という値を定義していますが、変数名によりどういう意味を持つのかが推測できます。
font_size = 10
score = 10
list_length = 10
time = 10
変数は計算に使うこともできます。
>>> x = 10
>>> y = 23
>>> z = x + y
>>> z
33
1行目でxに10を代入し、2行目でyに23を代入しています。3行目で、xとyを足した値をzに代入しています。よって、zには10に23を足した33が代入されます。最後の2行で、zの内容を確認しています。
練習問題
値の計算
IDLEを起動し、12345と34567の積(かけ算の結果)を求めてください。
>>> 12345 * 34567
426729615
変数への代入
IDLEを起動し、以下の代入及び計算を行ってください。
- 変数xに値12345を代入してください。
- 変数yに値77を代入してください。
- xをyで割ったときの商と余りを求めてください。商が小数の場合は、小数点以下を切り捨てた整数を求めてください。
>>> x = 12345
>>> y = 77
>>> x // y
160
>>> x % y
25